プラトン『ゴルギアス』カリクレス編

こちらの動画は、
プラトンの対話篇
『ゴルギアス』の中でも、
最大の論敵である
カリクレスとソクラテスの対決
(カリクレス編)の導入部分を、
ずんだもんとめたんの掛け合いで
解説したものです。

主な内容は以下の通りです。

1. カリクレスの挑戦:
自然の正義 vs 慣習の正義

これまでの論敵(ゴルギアス、ポロス)が
「不正を働くのは見苦しい」
という道徳的な慣習に屈して
論破されたのに対し、
カリクレスはそれを
「弱者の論理」として
真っ向から否定します。

強者の権利

自然本来の正義とは、
「優れた者(強者)が
劣った者(弱者)よりも
多く持ち、支配すること」
であると主張します。

弱者の嫉妬

「平等が正しい」
「不正は見苦しい」といった道徳は、
数だけ多い弱者たちが、
自分たちを脅かす強者を
縛り付けるために作り出した
「慣習(ノモス)」
に過ぎないと断じます。

2. 哲学への批判

カリクレスは、
いい年をして
哲学に没頭しているソクラテスを
「国を治める実務も知らず、世間知らずで滑稽だ」
と激しく罵倒します。

実学の重視

哲学は若い頃の教養としては良いが、
大人になっても続けていると、
いざ法廷で訴えられた時に
自分を守ることもできない
無能な人間になると警告します。

3. ソクラテスの反撃:定義の曖昧さを突く

ソクラテスは、
カリクレスの激しい暴言を逆手に取り、
彼の言葉を
「本心からの忠告」として感謝しつつ、
彼の主張する
「強者・優れた者」の定義を
論理的に解体していきます。

多数派は「強者」か?

カリクレスが「強い者が支配すべき」と言うなら、
数の上で強者を抑え込む
「大衆(弱者の集まり)」
こそが自然界の強者であり、
彼らが作った慣習(平等など)こそが
自然の正義になってしまうのではないか、
と矛盾を突きます。

* **何の専門家か?

「優れた者・賢い者がより多く持つべき」
と言うなら、
食事に詳しい医者は食事を
より多く取るべきか?
靴に詳しい靴職人は
より多くの靴を履くべきか?
と問いかけ、
カリクレスの言う「優れた者」が、
単に
「政治の場で私利私欲を貫く勇気がある者」
という曖昧な定義であることを暴き出します。

まとめ

動画では、
既存の道徳を破壊しようとする
カリクレスの「強者の哲学」の魅力と、
それを一問一答で
冷静に解体していく
ソクラテスの対話術の
凄みが描かれています。

次回、議論は
「支配者は自制すべきか、それとも欲望を解放すべきか」
という倫理の核心へと進んでいきます。

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