20世紀最大の哲学者ハイデガーが、なぜナチスに協力したのか?|ゆめラジオ

むすび大学チャンネルによる、
YouTuberで英語講師の
ゆめラジオさんを迎えた
西洋哲学シリーズ第3弾
「ハイデガーの存在論」
の内容をまとめました。

20世紀最大の哲学者の一人とされながら、
ナチスへの協力という暗い影を持つ
ハイデガーの思想と
その背景について解説されています。

1. ハイデガーの登場と「存在と時間」

1927年の衝撃

ハイデガーは
1927年に主著
『存在と時間』を発表し、
それまでの
「認識論」中心だった近代哲学の流れを
「存在論」へと大きく変えました。

存在と存在者の区別

「机」や「リンゴ」のように
目に見えるものを「存在者」と呼び、
それらが存在することを担保している
根源的なものを「存在」と呼びました。

2. 「現存在(ダザイン)」としての人間と「死」

ダザイン(現存在)

自分自身の存在について問い、
考えることのできる
特別な存在者(人間)のことです。

死への先駆

人間は本来、
自分が死ぬ存在であることを直視すべきですが、
多くの人はその恐怖から逃れるために
「気晴らし」にふけり、
世間一般(ダス・マン)の生き方に
埋没していると指摘しました。

3. 歴史・伝統・時間性の重視

「世界内存在」

人間は真空の中にいるのではなく、
すでに特定の文化や歴史の中に
投げ込まれた存在である(被投性)と考えました。

保守的な思想

自分が生きている歴史や
伝統(時間性)を重んじるべきだという
彼の思想は、
非常に保守的で、
ナショナルなアイデンティティを
肯定する側面がありました。

4. なぜナチスに協力したのか

思想的親和性

ナチスの
「血と土(民族と土地)」
というスローガンと、
ハイデガーの
「歴史や伝統、土地に根ざした存在」
という思想は非常に相性が良く、
彼自身もナチスに期待し、
積極的に協力しました。

保守哲学の危険性

ゆめラジオさんは、
伝統や民族を重んじる「保守哲学」は、
一歩間違えると
自民族中心主義や
排外主義に陥る危険を孕んでおり、
ハイデガーの失敗は
その教訓であると述べています。

5. ナチスの多面性と戦後のハイデガー

ナチスの政策

ナチスは
ホロコーストなどの巨悪を行いましたが、
一方で
国民皆保険、
環境保護、
失業対策(アウトバーン建設)などの
「良いこと」も行い、
当時の国民に支持された
複雑な側面がありました。

沈黙

ハイデガーは戦後、
ナチス協力について
公式な謝罪や弁明をせず、
沈黙を貫いたまま亡くなりました。

まとめ

ハイデガーは、
デカルト以来の
「自分と世界(主体と客体)」の分離を、
「時間性」や
「世界内存在」
という概念で統合しようとした
偉大な哲学者でした。

しかし、
その土地や歴史へのこだわりが、
ナチスという歴史的悲劇に
加担させる結果となった点は、
今なお哲学界の大きな議論の対象となっています。

第1回はこちら

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