- 2023/05/23
むすび大学チャンネルによる、
YouTuberのゆめラジオさんを講師に迎えた
西洋哲学シリーズの第2回
「カントとヘーゲル」
の内容をまとめました。
この動画では、
18世紀から19世紀にかけて、
近代哲学がどのように発展し、
「理性」の時代を
築いていったかが解説されています。
1. カント:認識論の革命
カント(18世紀)は、
「イギリス経験論」と
「大陸合理論」の対立を
統合しようとしました。
現象と物自体
世界を
「目に見える世界(現象)」と、
神や自由のように
「人間の認識では捉えられない世界(物自体)」
の二つに分けました。
物自体については考えるのをやめ、
現象の世界については
経験(実験)を重んじるべきだとしました。
コペルニクス的展開
それまでは
「対象に合わせて人間が認識する」
と考えられていましたが、
カントは
「人間に備わっている認識の仕組み
(フィルター)に合わせて
世界が映し出される」
と考えました。
これにより、
人間の理性が世界の中心として
優位に立ちました。
2. ヘーゲル:弁証法による発展
ヘーゲル(19世紀初頭)は、
カントでも解消できなかった
主体と客体の分離を、
歴史的なプロセスとして
統一しようとしました。
弁証法(アウフヘーベン)
「正(テーゼ)」に対し
「反(アンチテーゼ)」がぶつかり、
より高次元の
「合(ジンテーゼ)」へと発展する仕組みです。
進歩史観
世界は
この弁証法を繰り返すことで、
どんどん良くなっていく
(精神の自由へと向かう)という、
非常にポジティブで
元気の出る哲学を打ち出しました。
3. 理性の時代の限界とその後
マルクスへの影響
ヘーゲルの進歩史観は、
後にカール・マルクスによって
「唯物史観」へと引き継がれ、
歴史が必然的に発展するという
思想の土台となりました。
手段化する人間
ゆめラジオさんは、
ヘーゲルやマルクスの哲学は
「未来(目的)のために
現在(自分たち)が手段になってしまう」
という殺伐とした側面があることを指摘しています。
20世紀の反省
理性を絶対視した結果、
20世紀に起きた世界大戦や
アウシュビッツといった悲劇を受け、
「理性は本当に素晴らしいのか」
という根本的な疑念
(フランクフルト学派など)
が生まれることになります。
まとめ
カントによって
「理性が世界を把握する仕組み」
が整えられ、
ヘーゲルによって
「理性が歴史を動かす力」
が強調されました。
しかし、
理性を万能視したこの時代は、
同時に人間の道具化という
新たな課題も生んでしまいました。
次回は、
これらを経て登場する
ハイデッガーの「存在論」へと続きます。