- 2023/08/14
この動画では、
サルトルやハイデガーなど
20世紀の哲学に多大な影響を与えた
エトムント・フッサールの
「現象学」について、
具体例を交えて分かりやすく解説しています。
1. 現象学とは何か
フッサールの現象学とは、
私たちが
「常識」や
「科学的な客観的事実」
だと思い込んでいる知識を、
「意識体験」
という観点から記述し直す学問です。
客観的事実への疑い
例えば、
目の前にリンゴがあるとき、
私たちはそれを
「客観的な事実」と考えますが、
実際には
「自分の脳が作り出したイメージ」
である可能性
(脳がコンピューターに接続されている
マトリックスのような状態)
を完全に否定することはできません。
科学も「思い込み」
フッサールは、
原子論やニュートンの科学理論ですら、
突き詰めれば人間の脳内で作り出された
「確信」の一種に過ぎないと断じました。
外部の世界が正しいかどうかよりも、
「なぜ人間の意識の中でそのような考えが生まれたのか」
という起点に注目しました。
2. 「確信」の出発点
フッサールは、
あらゆる確信は個人の
「主観的な意識体験」
から始まると考えました。
リンゴの例
そのリンゴが本物かホログラムかは
証明できなくても、
「今、自分はリンゴを見ている」
という意識体験自体は、
疑いようのない事実です。
幻覚・幻聴の例
幻覚を見ている人にとって、
それは「現実」として
意識に現れています。
他人には見えなくても、
本人にとっては
確実な体験(現象)なのです。
私たちが普段見ている世界も、
実は
「自分たちの主観的な意識の中で、
客観的だと信じているもの」
に過ぎません。
3. 重要概念「エポケー(判断停止)」
現象学における重要な方法論が
「エポケー」です。
意味
自分が「客観的な事実だ」
と思い込んでいる判断を、
いったん保留(中断)することです。
現代への応用
対人関係や相互理解において、
自分の考えを「絶対的な正解」とせず、
エポケー(いったんカッコに入れる)を行うことで、
相手の視点を理解する余地が広がります。
まとめ
フッサールの現象学は、
「世界がどうあるか」
ではなく、
「世界が私たちの意識にどう現れているか」
を問う哲学です。
自分の見ている世界が
主観的なものに過ぎないという
自覚(エポケー)を持つことは、
他者との対話を豊かにし、
固定観念から自由になるための
強力なツールとなります。