- 2021/08/01
この動画は、
チャールズ・パースが築いた
科学的方法論としてのプラグマティズムを、
ジェームズが道徳や宗教へと拡張し、
さらにデューイが「探求の論理」として
体系化していく過程を解説しています。
1. ウィリアム・ジェームズ:心理学から「心理の拡張」へ
ジェームズは「アメリカ心理学の祖」として、
意識を静的な断片の集まりではなく、
絶えず変化する「意識の流れ」として捉えました。
信念の権利(信じようとする意思)
同時代の
「証拠がない信念は悪」
とする考えに対し、
ジェームズは
「有用な結果をもたらすならば、
証拠がなくても信じる権利がある」
と主張しました。
後ろ向きの肯定
最初は証拠がなくても、
その信念に基づいた「行為」によって
有用な結果が得られれば、
その信念は事後的に(後ろ向きに)
「真理」として認められます。
心理感の転換
真理とは
客観的に固定されたものではなく、
人間の行動にとって
「有用なもの」を指します。
これにより、
主観的な「価値」と
客観的な「真理」の境界を
曖昧にしました。
2. ジョン・デューイ:探求の論理と「保証付きの言明可能性」
デューイは、
ダーウィンの進化論や
ヘーゲルの弁証法の影響を受け、
真理を共同体とともに
進化するものと捉えました。
二元論の否定
西洋哲学が伝統的に守ってきた
「理性(不変)」と
「経験(流動)」の分離を
デカルト的保守主義として批判しました。
探求としての科学
探求とは
「不安定なトラブル状態」から
「安定した解決状態」へ
転換させるプロセスです。
保証付きの言明可能性
デューイは「真理」という言葉の代わりに
この表現を使いました。
現時点では正しいと保証されているが、
将来的に覆される可能性も内包しているという、
暫定的な真理観です。
民主主義的な真理
真理は共同体の言語や
常識に根ざしたものであり、
客観的な絶対真理など存在しないが、
共同体にとっての
「保証付きの言明」であれば
それで十分であると考えました。
3. プラグマティズムの影響と評価
ラッセルらの批判
ヨーロッパの哲学者からは
「キャッシュ・バリュー」
(現金価値)にすぎず、
哲学未満の自己啓発であると
激しく批判されました。
アメリカの発展へ
批判を浴びつつも、
デューイらの貢献により
プラグマティズムは
アメリカの精神的支柱となり、
後のネオ・プラグマティズムへと
引き継がれていきました。
結論
ジェームズとデューイは、
真理を
「天から降ってくる絶対的なもの」
ではなく、
「人間がより良く生きるための道具やプロセス」
へと変貌させました。
この思想は、
絶対的な正解がない道徳や
社会問題においても、
私たちが「探求」を通じて
より良い解決策を暫定的な真理として
受け入れていく勇気を与えてくれるものだと
締めくくられています。