- 2022/07/18
ピタゴラスが発見した音階の仕組みと
「ピタゴラス音律」について。
1. 音楽と数学の結びつき
ピタゴラスは、
鍛冶屋のハンマーの音から着想を得て、
音の高さが「数(比率)」によって
決まっていることを発見しました。
音の高さと周波数
音の高さは振動数(周波数)で決まり、
弦の長さと周波数は反比例の関係にあります。
オクターブの発見
弦の長さを半分(周波数を2倍)にすると、
1オクターブ上の同じ種類の音が鳴ります。
2. ピタゴラス音律の作り方
ピタゴラスは、
最も美しく響く音の比率を積み重ねることで音階を作りました。
「完全5度」の積み重ね
ある音の周波数を1.5倍(弦の長さを2/3)にすると、
その音と非常にきれいに響く
「完全5度(ドに対してのソなど)」
の音が得られます。
12音のサイクル
この「1.5倍にする」という作業を
12回繰り返すと、
ほぼ元の音のオクターブ上の関係に戻ってきます。
これにより、
1オクターブを12個の音に分ける
「ピタゴラス音律」が確立されました。
3. ピタゴラス音律の弱点と「コンマ」
完璧に思えたこの理論には、
数学的なわずかな「ズレ」が存在しました。
ピタゴラスコンマ
1.5倍を12回繰り返して得られた音と、
元の音を2倍(オクターブ)ずつ
重ねて得られた音を比較すると、
微妙に一致しません。
このズレを「ピタゴラスコンマ」と呼びます。
その他のズレ
「ミ」の音なども
理想的な比率(5/4倍)から
わずかにずれており、
これを「シントニックコンマ」と言います。
4. 現代への影響
初期ルネサンスまでの主流
ピタゴラス音律は
かつて西洋音楽の主流でしたが、
この「ズレ」の問題により、
次第に使われなくなりました。
平均律への移行
現代では、
このズレを均等に配分して解消した
「平均律」という調律法が
一般的になっています。
まとめ
ピタゴラスは、
音楽が感性だけでなく
「整数の比率」
という数学的な秩序に
基づいていることを証明しました。
彼の発見した音階の原理は、
現代の音楽理論の基礎となっており、
数学と音楽が不可分であることを示す
歴史的な業績です。