- 2020/05/16
17世紀フランスの哲学者
ルネ・デカルトを学ぶための
入門書3冊を要約・比較します。
デカルトの
「我思う、ゆえに我あり(コギト)」
の先にある、
複雑な哲学体系を理解するための
ガイドとして役立ててください。
デカルト入門書 比較・選定ガイド
1. 『デカルト』 (野田又夫 著)
特徴
1966年刊行のロングセラーで、
入門書として
非常にオーソドックスな内容です。
前半は伝記、
後半は理論を
(コギト、神の存在証明、宇宙論、心身問題など)
バランスよく解説しています。
おすすめの人
デカルトの生涯と思想の全体像を、
標準的な解釈で学びたい初心者。
強み
NHKの講座がベースになっており、
語り口が優しくスラスラ読めます。
2. 『デカルト入門』 (小林道夫 著)
特徴
現代における
デカルト研究の権威による著書。
「永遠真理創造説」
を主軸に据えた、
学術的で高度な解釈が特徴です。
永遠真理創造説
1+1=2といった
数学的真理さえも
神が創造したとする説。
これにより、
主観的な思考(数学)が
客観的な物理世界でも
通用することを基礎付けています。
おすすめの人
将来的に
デカルトを専門的に研究したい人や、
自然科学の基礎付けとしての
デカルト哲学に興味がある人。
3. 『デカルト入門講義』 (富田恭彦 著)
特徴
動画UP主が
初心者に最も推奨する1冊。
大学の演習のように、
著作を少しずつ丁寧に読み解くスタイルです。
観念論的アプローチ
デカルトを
「主観主義」
(すべては心の中の観念である)
のルーツとして捉え、
観念という側面から深く分析しています。
おすすめの人
難しい用語の定義を詳しく知りたい人や、
現代の分析哲学・認識論の文脈で
デカルトを理解したい人。
デカルト学習の基本知識
デカルトとは
「近代合理主義の父」と呼ばれ、
あらゆるものを疑う
「方法的懐疑」の果てに、
疑っている自分の存在(コギト)
を確実な第一原理としました。
主要著作
『方法序説』: 最も平易で有名。
『省察』: 最も詳細で、研究者が重視する主著。
『哲学原理』: 教科書的にまとめられた体系的な書。
神の存在証明の扱い
現代の研究者の多くは
カントの批判
(神の存在証明は成立しない)
を支持していますが、
デカルトの理論そのものが持つ
「自然科学を支える論理」
としての価値は
今なお高く評価されています。
結論
まずは富田恭彦氏の
『デカルト入門講義』
から読み始め、
より全体的な標準解釈を知りたくなったら
野田又夫氏の
『デカルト』
に進むのがスムーズです。