- 2020/06/28
近代哲学の父ルネ・デカルトの主著
『方法序説』
の核心を要約します。
1637年に出版された本書は、
それまでの伝統的な学問を
一度リセットし、
「絶対に疑いえない真理」
から学問を再構築しようとした
挑戦の記録です。
1. 学問の再構築と「良識」
デカルトは、
当時の学問が
過去の慣習や
あやふやな前提に基づいていることに
疑問を抱きました。
良識の平等
人間に備わっている
「良識」
(理性を正しく用いる能力)
は誰にでも等しく備わっているが、
思考の筋道(方法)が異なるために
意見の不一致が生まれると考えました。
ゼロからの構築
共通の確かな学問を作り上げるため、
既存の知識を一度すべて捨て、
確実な方法論を模索しました。
2. 真理を見つけるための「4つの規則」
デカルトは、
思考を誤らせないために
以下の4つのルールを定めました。
① 明証の規則
明らかに正しい
(疑いようのない)
もの以外は受け入れない。
② 分析の規則
難しい問題は、
できるだけ細かく分けて考える。
③ 総合の規則
最も単純なものから始め、
少しずつ複雑なものへと
順序立てて解決する。
④ 枚挙の規則
見落としがないか、
全体を完全に見直す。
3. 「仮の道徳」:思考を支える住まい
学問を根本から建て替えている最中も、
実生活を送らなければなりません。
そのための
「仮の住まい」としての
道徳規則を3つ挙げました。
① 法律や慣習に従う
社会的な軋轢を避け、
穏やかに生活する。
② 意志を貫く
一度決めた方針は、
たとえ疑わしくても
一貫してやり遂げる。
③ 自分の心に集中する
自分の力の及ばない
外的要因に悩むより、
自分でコントロールできる
「自分の心」を変えることに専念する。
4. 哲学の第一原理:「我思う、ゆえに我あり」
デカルトは、
少しでも疑わしいものは
すべて「偽」として排除する
「方法的懐疑」を行いました。
感覚も夢も疑う
感覚は錯覚を起こし、
現実と夢の区別もつかないため、
これらは真理の材料にはなりません。
唯一の確実なもの
すべてを疑い、
すべてが偽であると考えているその瞬間、
「疑っている私(主体)」
が存在することだけは、
どうしても疑うことができません。
結論
「我思う、ゆえに我あり」
(コギト・エルゴ・スム)
デカルトはこれを、
揺るぎない哲学の第一原理に据えました。
まとめ:自分で考えることの重要性
デカルトは本書の最後で、
情報をただ受け取るだけでは不十分であり、
「自分自身で考えること」
が何よりの価値であると説いています。
『方法序説』は単なる哲学の理論ではなく、
現代の私たちが直面する問題解決や、
自分の生き方を確立するための
普遍的な知恵が詰まった一冊です。