- 2023/08/15
ご提示いただいた動画は、
20世紀最大の哲学書の一つとされる
マルティン・ハイデガーの
『存在と時間』
を読み解くための
「超基礎用語」を解説した内容です。
「人間」をあえて
「現存在」と呼ぶ理由や、
ハイデガーが従来の人間観を
どう批判したのかが分かりやすく語られています。
主な内容は以下の通りです。
1. なぜ「人間」ではなく「現存在(ダーザイン)」と呼ぶのか
本質への先入観を排す
「人間」という言葉を使うと、
理性的であるといった
既存の本質を勝手に想定してしまいます。
ハイデガーはこれを避け、
先入観のない状態から分析を始めるために
「現存在」という抽象的な言葉を選びました。
場所(そこ:現)に規定された存在
ドイツ語の
「Dasein(ダーザイン)」の
「Da」は場所(そこ)を意味します。
人間は抽象的な存在ではなく、
常に特定の場所や状況と
切り離せない存在であることを強調しています。
2. 存在了解:存在の意味をなんとなく知っている
現存在(人間)の最大の特徴は、
「存在とは何か」
をなんとなく理解(了解)していることです 。
他の動物や植物と異なり、
人間だけが「ある」ということに関心を持ち、
問いを立てることができます。
そのため、存在の意味を問うには、
まず人間(現存在)を分析する必要があると考えました。
3. 気遣い(配慮)をする存在
現存在は、
自分自身のことや
周囲の物事が
「気になる(気遣いをする)」存在です。
自分の将来や周りの環境を配慮し、
関わりを持つこと自体が、
人間特有の「あり方」であると説いています。
4. 従来の存在概念への批判
伝統的な哲学では、
存在の意味を
「目の前にありありと現れていること(現前性)」
と捉えてきました。
ハイデガーはこれに対し、
存在とは抽象的な現れ方ではなく、
「場所や状況と不可分な、それぞれの存在者固有のあり方」
であると主張しました。
要約
この動画は、
ハイデガーが
「人間を、特定の場所に投げ出され、
自らの存在や周囲を気遣いながら生きる存在」
として定義し直したことを解説しています。
この基礎を知ることで、
難解な『存在と時間』の
論理構成が見えやすくなります。