- 2022/06/04
この動画は、
ドイツ観念論の哲学者
フリードリヒ・シェリングの思想を、
「自然哲学」と彼の主著である
「人間的自由の本質」
という2つの側面から、
壮大なスケールで解説したものです。
1. シェリングの自然哲学
生命と対立
シェリングは
自然や生命の内部には
常に「対立」が存在し、
その対立を克服しようとする
「力」こそが
生命の原理であると考えました。
自然全体が「自由」
フィヒテが
人間理性のみに認めた
「自由(対立を克服する活動)」を、
シェリングは自然全体にまで押し広げました。
自然と人間の違いは、
その自由が
「自覚されているか否か」
の差に過ぎないとしています。
歴史としての自然
自然哲学とは、
自然が自らの本質である
「自由」を自覚する
(人間に至る)までの
歴史をたどる試みです。
シェリングは「今」を
その歴史の終わり(哲学の完結)として捉える、
強い歴史的視点を持っていました。
2. 人間的自由の本質:悪と自由の問題
人間の特殊性
人間は自然の一部でありながら、
自然を破壊し超越してしまう
「過剰な存在(異物)」です。
なぜ人間は「悪」を犯すのか、
その必然性が問われます。
悪の原因を「神」に遡る
従来、悪は「善の欠如」とされがちでしたが、
シェリングはそれだけでは不十分だと考え、
悪の根拠を神の内に求めました。
「根底(Ungrund)」の概念
神の中には、
神そのものではない
「自己を生み出そうとする盲目的な欲求」
としての「根底」があります。
この神の内部での対立こそが、
自然における混沌や、
人間における
「善と悪」の分岐点の根拠となります。
3. シェリング哲学のスケールと現代的意義
領域の拡張
自由や悪を
単なる人間社会や倫理の問題に限定せず、
神や自然全体の問題として捉える点に、
シェリング哲学の深淵さがあります。
神の精神分析
神という絶対者の内面を分析し、
そこから世界の創造と
悪の存在を導き出そうとする
挑戦的な試みは、
西洋哲学史上でも
非常に稀有なスケールを誇ります。
まとめ
シェリングの哲学は、
神、自然、自由を
『歴史』というキーワードで一つに繋ぎ、
自然が自己を自覚していく
壮大なプロセスを描き出そうとしたもの
といえます。