- 2020/07/27
このYouTube動画は、
デンマークの哲学者キルケゴールの名著
『死に至る病』について、
特に「絶望の形式」に焦点を当てて
詳しく解説した動画です。
動画では、
人間特有の苦しみである
「絶望」がいかにして生じるのか、
その構造がわかりやすく説明されています。
「死に至る病」とは絶望である
キルケゴールは、
肉体的な死をもたらす病ではなく、
「精神(自己)を死に至らしめる病」
として絶望を定義しました。
人間は精神である
人間は単なる動物ではなく、
自分自身を客観的に捉える
「自己(精神)」を持っています。
この「自己」が病んでしまう状態が絶望です。
絶望は人間特有の優越性
絶望できるということは、
人間が高度な精神を持っている証
(優越性)でもありますが、
実際に絶望している状態は
最大の不幸であるとされます。
自己とは「総合(バランス)」である
キルケゴールは、
自己を相反する2つの要素が組み合わさった
「総合」であると定義しました。
絶望とは、
このバランスが崩れた状態を指します。
① 有限性と無限性の総合
無限性の絶望(有限性の欠乏)
空想や想像力ばかりが肥大化し、
現実の自分(地に着いた生活)を見失った状態。
「もしこうだったら」
という空想の世界に生き、
具体的な行動が伴わない
「夢追い人」の絶望です。
有限性の絶望(無限性の欠乏)
想像力を失い、
社会の歯車として
日々のルーチンをこなすだけの状態。
他人と同じであることを良しとし、
自分自身の固有の可能性を忘却してしまった
「世俗的な人間」
の絶望です。
② 可能性と必然性の総合
可能性の絶望(必然性の欠乏)
「あれもできる、これもできる」
と可能性ばかりを追い求め、
今の自分の実力や状況
(必然性)を認めない状態。
結局、
何も現実化できず、
自己が「蜃気楼」のように
実体のないものになってしまいます。
必然性の絶望(可能性の欠乏)
「自分はこうなる運命だ」
「どうせ変われない」と諦め、
希望を失った状態(宿命論者)。
また、
自分の経験則だけで物事を判断し、
新しい挑戦をしない
「俗物」の絶望もこれに含まれます。
自己とは「関係」である
自己は、
自分自身との関係、
あるいは自分を支える他者
(最終的には神)との
関係によって成り立っています。
3つの絶望の形態
① 絶望していることを意識していない絶望(無自覚な絶望)。
② 絶望して「自分自身でありたくない」と願う絶望(弱さの絶望)。
③ 絶望して「自分自身であろう」と固執する絶望(強情の絶望)。
まとめ:自己啓発としての実存主義
解説者は、
この難解な哲学書が
現代の自己啓発にも通じる
側面があることを強調しています。
地に着いた夢を持つ
「自分は何者でもない」
と謙虚に今の自分(必然性)を認めつつ、
そこから一歩踏み出す勇気
(可能性・無限性)を持つこと。
自分の声を大事にする
他人に流されず、
自分の固有の偶然性(個性)を受け入れることが、
絶望から救われる鍵となります。