- 2020/02/13
古代ギリシャのミレトス学派の
主要な哲学者である
アナクシマンドロスと
アナクシメネスの思想を要約します。
彼らは「哲学の祖」タレスの教えを受け継ぎ、
万物の根源(アルケー)について
さらに深い探求を行いました。
1. アナクシマンドロス:無限なるもの「アペイロン」
タレスの弟子とされる
アナクシマンドロスは、
万物の根源を
「水」とする師の説に
疑問を持ちました。
アペイロン(限定されないもの)
彼は、
水と火のように
相反する性質を持つものが
一つの根源から生まれるためには、
根源そのものは特定の性質
(熱い、冷たい、湿っているなど)
に限定されないものであるべきだと考えました。
これを「アペイロン」と呼び、
抽象的な概念を哲学に導入しました。
世界地図の作成
哲学以外でも、
彼は(作者が判明しているものとしては)
世界で初めて世界地図を作成し、
日時計をギリシャに持ち込むなど、
多方面で活躍しました。
2. アナクシメネス:万物の根源は「空気」
アナクシマンドロスの弟子である
アナクシメネスは、
師の「アペイロン」という
抽象的な概念を、
より具体的な物質として
説明しようと試みました。
空気の密度と変化
万物の根源を「空気」とし、
その「密度」の変化によって
万物が生成されるという
プロセスを提示しました。
希薄化(密度が下がる)
空気が薄くなると温度が上がり、「火」になる。
凝縮(密度が上がる)
空気が濃くなると
「風」「雲」「水」「土」
そして「石」へと変化する。
呼吸からの着想
口をすぼめて吹く(冷たい息)と
口を大きく開けて吐く(温かい息)の違いから、
空気の密度と温度の関係を見出しました。
3. ミレトス学派の意義
ミレトス学派
(タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネス)
の探求は、
以下の点で哲学史において極めて重要です。
科学的論証の誕生
自然現象を
神の意志ではなく、
物質的な法則や
プロセスで説明しようとした。
抽象化と具体化の発展
「水」という具体的物質から
「アペイロン」という抽象概念へ、
そして再び「空気の密度」という
具体的な物理現象へと、
議論を深化させた。
後の原子論への影響
一つの根源的なものが変化して
万物を構成するという考え方は、
後の原子論(デモクリトスなど)
の基礎となりました。
まとめ
ミレトス学派は、
師の説を単に受け継ぐだけでなく、
それを批判的に検討し、
より論理的・科学的な
「プロセス」を解明しようとしました。
この「師を超える」という知の連鎖が、
西洋哲学の豊かな土壌を形成したのです。